わたしのU・Iターン
●北海道にはないとあきらめていたCAEの仕事
 生まれ育った札幌市で機械工学を学んでから、小樽の企業で7年勤務し、それから東京の自動車メーカーに就職しました。そこでしばらく働いていましたが、派遣社員だったため、妻と子どもの将来のことを考えて、正社員になりたいと思うようになりました。転職するならできれば北海道に帰りたいという気持ちはありましたが、無理だとあきらめていました。なぜなら、やりたかったC A E( C o m p u t e rAided Engineering)という仕事が、北海道には少ないと思っていたからです。
 CAEとは設計をコンピュータシミュレーションによって検証する技術です。もともと機械技術者だった私はCADを多く扱っており、やがてCAEの技術も身に付けるようになりました。今日、自動車や精密機器などの製造業にとっては欠かせないものとなっていますが、CAEを行っている企業の多くは関東に集中しており、北海道にはないと決め込んでいたのです。そのため、はじめは関東での転職を考えていました。
 ところが、札幌に子どもを連れて帰省した時のこと。実家の両親が、孫の顔を見てとても喜んでくれました。その様子を見て以来、いつでも子どもを両親に会わせられる北海道に帰りたいと強く思うようになりました。Uターンすることについては、小樽出身の妻も賛成してくれました。
●求職希望登録をすると希望の会社が見つかった
 北海道に帰りたい。でもCAEの仕事は北海道にはないかもしれない。半ばあきらめているところへ、インターネットでU・Iターンサポートデスク東京の存在を知りました。そこへ行って求職希望登録を済ませてからしばらくすると、求人企業の一覧が送られてきました。その中に、CAEを扱っている会社がありました。「北海道にもCAEの仕事があった」と、さっそく面接を受けるためのリクエストの手続きを行いました。面接では技術と経験をアピールしたことが功を奏したのか、合格しました。こうしてUターンできることになりました。
●エンジニアとして信頼されるのが夢
 CAEの技術は日々進歩しているので、ついていくためには勉強が欠かせません。難しさもありますが、それが面白いところでもあります。現在の会社はCAEを扱っている企業の中でもリーディングカンパニーです。有名なソフトも世に送り出しており、そんな企業の現場で仕事をできるのは大変やりがいのあることと思っています。
 新しい職場ではコミュニケーションを大切にして、なるべく分からない点は質問するようにしています。正社員になったことによって責任が増した分、やりがいも感じています。今の目標は、エンジニアとして信頼されること。忙しさは前の職場と変わりませんが、札幌は車で移動しやすいので、休日には家族と公園に出かけたり、東京ではなかなかできなかったゴルフやテニスも楽しめるようになりました。Uターンしてあらためて感じましたが、北海道の水はおいしいですね。東京にいた頃のように水を買うことはなくなりました。
 大切なのはたとえ不可能に思えることでもやってみること。やらずにあきらめるよりも、とにかくやってみるべきだと思います。


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